『恐怖』『怠慢』『ホメオスタシス』です。
暗示は恐がっている相手には強烈に入りますが、恐がっている相手を催眠に導くのは無理です。なぜなら、催眠状態は心が安定した状態であり、心を安定させるのが催眠術だからです。
それでも、カウンセラーの説明次第で恐怖はある程度なくしていけます。よほど強烈な観念を持っていない限り、催眠へ導入する程度ぐらいには恐怖を取り除けるものです。
次に怠慢ですが、催眠のセミナーや受講会を行っているような場所で、「それ僕にもかかるんですかね?」などと、どっちでもいいような、なかば冷めた感じの言い方をする人は興味半分ですから、かかり辛い相手といえます。催眠の初心者にはま� �無理な相手でしょう。
この場合は、なんとしても相手に興味を持たせるか、あるいは興味がないのならかける必要がないとみなすかのどちらかだと思います。
そしてホメオスタシスです。これは恒常性維持機能といって、普段の自分でいようとする能力のことです。
体が熱くなれば汗をかいて普段の平熱まで下げようとしたり、体が冷えれば身体を震わせて熱を上げようとするオートマチックな機能です。
チャールズressegerが行う
催眠を深めていくときは、このホメオスタシスに柔軟性を持たせる作業をしていきます。
しかし、ホメオスタシスに柔軟性がない人は、少しでも意識が変性すると、元の意識状態に戻そうとするので、なかなか深い催眠へは導けません。
ホメオスタシスは完全に無意識の領域ですから、本人がいくらかかりたいと思っていても、柔軟性が弱いと、いくら頑張っても催眠には入れないのです。
「催眠を信じているからかかる」とか「信じていないからかからない」といった問題ではないですよね。
ちなみに、ホメオスタシスに柔軟性を持たせる方法は、書籍『催眠術入門』(三笠書房)と『催眠術の極め方』(現代書林)に別々の方法を書いてありま� ��ので、習得したい方はご覧になってください。
そして願望達成についてですが、日本では1994年ごろから潜在意識に焦点を当てた願望達成法が注目されるようになり、イメージの活用が画期的な方法として日の目を浴びるようになりました。
「人が変わろうとするとき、意識の力で変わろうとしても無駄。本当に変わりたいのなら潜在意識を変えること」・・・
私もそう思います。
しかし、イメージで人は変われません。
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「潜在意識に浮かべたイメージは現実化する」これは催眠の基本でもあります。
五円玉に糸を結びつけて振り子を作り、目の前へもってきます。
そして振り子が左右に揺れているイメージをします。
ここで少しでも振り子が揺れると、イメージがリアルになり、さらに振り子は大きく揺れ出します。
イメージは現実になり、現実化されたイメージはさらにイメージをリアルにします。
だからといって、自分が成功しているイメージを浮かべたら本当に成功者に成ると思ったら大間違いです。
人間には、このイメージと現実化の相互関係を邪魔する強い力が備わっているのです。
それが、『恐怖』と『怠慢』そして『ホメオスタシス� ��です。
振り子の揺れがどんどん大きくなる人は、すんなり深い催眠へ入っていける人です。
しかし、振り子の揺れが一定のまま進歩しなかったり、逆に揺れが小さくなっていく人は、イメージと現実化の相互関係を邪魔する機能が働き始めているので、「もっと揺れます!どんどん揺れる!・・・」と声をかけて援護していきます。こうすることで催眠誘導が可能になります。
しかし、この援護がないと、潜在意識はすぐに怠けてしまう。
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「頑張らなければ成功は手に入らないよ」
「頑張るから成功しないんだよ」
前者は正論です。しかし、前者を口に出す人には誰も振り向きません。怠慢から見ると何も魅力が無いからです。
『努力しないで○○できる』
『何もしないで○○できる』
『寝ているだけで○○できる』
こんなフレーズを聞くと怠慢は大喜びです。
しかし、何もしなければ、やっぱり何も起こりません。
私はいろんな書籍の中で「イメージはその人に合っていないと意味がない」といってきましたが、イメージを浮かべて目標を達成する人は、イメージと行動が結びついている人です。いわゆる行動力のある人なんです。
イメージを浮かべて成功したいのなら、イメージと行動を結びつけるニューロンをインプルーブする(育てる)ことです。
人間は難しいことからは逃げてしまう。かといって簡単なことにはつまらなさを感じ、モチベーションの持続ができません。
でも、少しだけ難しいことならやる気を出せます。少し頑張れば自分にもできそうなことならモチベーション� �持続できます。
この"少しずつ""一歩ずつ"がニューロン・インプルーブ・コントロールの概念です。
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